Gran Tour Italia
- Keiko Yoshimori
- 3月13日
- 読了時間: 17分
2017年に生物多様性をテーマにオープンした「FICO Eataly World」が、今秋の9月5日にリニューアルオープンしました。早速、下見に行ってきましたので、そのレポートをお届けします。
イタリア全土の郷土料理を楽しめる新たなテーマパークの誕生

イタリア全土20州を北から南まで巡り、各地域の文化と伝統を体験できる新しいスペースが誕生しました。イタリアは統一前、それぞれの自治体や国として存在していたため、地域ごとに異なる多様な文化と食文化を楽しむことができます。
イタリア料理といっても、州ごとに違うのはもちろん、隣の街でも特産物が異なり、独自の気候や地形により、その地域ならではの食材が生み出されています。
このスペースは、5万平方メートル(東京ドーム約1.25個分)にイタリアの魅力を凝縮。園内には、各地方をテーマにしたオステリア、トラットリア(現地の食堂のようなもの)が設けられています。山間部の本格的な郷土料理から地中海沿岸の新鮮な魚介料理、さらにはオーガニック製品を使用した一皿まで、さまざまな料理が楽しめます。各州のオステリアのメニューは2か月ごとに変更されるため、ボローニャにいながらにしてイタリア各地の郷土料理を味わうことができ、地元の人々にも好評です。
Gran Tour Italiaの新しい試み
・イタリア全土の食だけでなく、伝統行事やお祭りなどにも注目し、レアな体験ができる。
・スローフード協会による子供たちへの食育(無料)
・AISワインソムリエ協会が行うワイン講座
・木曜日(不定期)の夜に著者が参加する読書会やトークイベントが行われます。
では、写真を見ながら説明いたします。
リニューアルオープンしてから1週間後の9月12日(木)に訪れました。駐車場は無料で利用できます。まだ旧FICOの看板を取り外したばかりのため、看板の周りの植物が生えておらず、「FIC」という文字がはっきりと見える状態です。
入り口は以前と同じ2つあります。入ってすぐに見えてくる唐辛子のオブジェがある方はゴーカートや遊園地スペースの入り口となっていますので、左にずっとこちらがメインエントランスで、「GRAND TOUR ITALIA」の看板が訪れる人々を迎えてくれます。
以前は「Fabbrica Italiana Contadina」を省略した「FICO」という、イタリア語でイチジクを意味するキャラクターが使用されていましたが、今回はシンプルにイタリア地図のキャラクターになっています。
エントランスには、イタリア各地の有名な観光地の写真が展示されています。これらを眺めていると、改めてイタリアには素晴らしい地域がたくさんあることを実感し、次回は実際に訪れてみたいと思わせられました。
入り口にはイタリア20州の情報パネルがありますが、少し安っぽい印象です。各州の首都や面積、人口などの基本情報が記載されており、さらに各地域のトラットリアで提供されるメニューとその価格をここで確認できます。このメニューは2ヶ月ごとに変更される予定です。
建物内への入り口
回転ドアを回して中に入ると以前の一時入場料の名残で改札が残っていますが、今は全てオープンになっており、無料で入場できます。
入ってすぐにインフォメーションがありますので、料理教室やイベントへの参加申し込みはこちらで行えます。展示されている大きな地図はありますが、配布用の地図はまだ作成中のようで、現在はカラーコピーのみの配布です。
以前「火」をテーマにしたマルチメディア展示があった場所では、食に関する写真展が行われています。「スターと食」では、ビートルズやマリリン・モンローなど、映画の撮影中に食事をしている写真が飾られています。また、「世界の食」や「宗教と食」に関する展示もあり、さまざまな視点から食を楽しむことができるのは面白いと思いました。現在のところは常設展のようですが、今後展示内容が変わるかもしれません。
まずは開催地であるボローニャがお出迎えです。
ボローニャといえばボローニャハムやモルタデッラですが、こちらは以前と同じ場所にあります。ただし、製造過程は見られなくなっています。クイズやパニーノ、ランブルスコワインが5ユーロで楽しめるのは、おやつにぴったりかもしれませんね。
指示案内の看板。
お出迎えしてくれたボローニャのパディリオンのすぐ前にある案内表示です。一番近い地点がロンバルディアまで18歩、カンパーニャまで155歩と表示されています。実際に歩いてみると、だいたいそのくらいでした。ただ、地理的にボローニャから遠いところは遠くにあるのかと思いきや、実際にはそれとは関係ないようです。
また、ユネスコ世界遺産のポルティコ(ボローニャ市内のアーケード)が各パディリオンにも反映されているようです。
1 ロンバルディア州
ロンバルディア州は、ミラノという大都市を中心に経済、科学、ファッション、芸術の分野で国内外から注目され続けています。食文化は子トレッタ(ミラノ風カツレツ)やリゾット、ゴルゴンゾーラチーズ、パネトーネのような伝統的なデザートまで、ロンバルディアの美食は様々な支配の影響を受けています。
2 フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州
州都はトリエステで、その地域の伝統的な製法で作られる絶品の生ハム、サン・ダニエーレの生ハムの足が丸ごと奥に吊るされています。
3
エミリア・ロマーニャ州は、かつてのパルミジャーノ・レッジャーノの展示場所を再利用しています。そのほか、PASTA FRESCA FATTA A MANO(手作り生パスタ)のレストランがあり、ボローニャの名物であるトルテッリーニやタリアテッレといった卵を使った生パスタがその場で作られ、楽しむことができます。
4 ヴァッレ・ダオスタ州は、フランスとスイスに接しており、古代ローマ帝国の影響を多く受けた地域です。イタリアで一番小さな面積の州とされています。アウグストゥスの門が有名で、食文化としてはフォンティーナチーズや、香草と干し草の香りが特徴のJambon de Bosses DOP(生ハム)などが挙げられます。
5 トスカーナ州
芸術の都フィレンツェで知られるトスカーナ州。ルネッサンスで芸術が花開き、食文化も広がります。モンテプルチャーノの赤ワインにトリュフやポルチーニ茸など、リッチな食材も豊富。フィオレンティーナ(Tボーンステーキ)を食べられるレストランが入っています。ショップの製品も多く、ワインの種類も豊富でした。
6
トレンティーノ・アルトアディジェ州
トレンティーノ=アルト・アディジェ州は、イタリアとドイツの影響を受けた独特の料理で有名です。リンゴ、地元のワイン、Spressa delle Giudicarie DOPやStelvio DOPなどのチーズは、この地方の食の楽しみのほんの一例です。
7 プーリア州
古い歴史を持つプーリア州。バーリやレッチェの教会や城、バロック遺産や古代ギリシャ・ローマ時代の遺跡、アルベロベッロのトゥルッリで有名です。食文化も豊富で、タラッリや、生クリームのようなチーズのブッラータ、高級なオリーブオイルがあります。手作りパスタはデモンストレーションでオレッキエッテを作っているところを見せてくれました。
8 カンパーニャ州
ナポリのあるさまざまな文明や文化の発祥地であるカンパーニャ州。上質のオリーブオイルと、コラトゥーラ・ディ・アリーチ(魚醤なようなもの)、ワインの生産で有名です。ナポリピッツァはもちろん、水牛のモッツァレラチーズなど、イタリア料理を象徴する代表的な料理を生み出してきました。
9 シチリア州
文明の交差点であるシチリアは、ギリシャ、ローマ、アラブ、ノルマン、スペインの支配が交互に行われた歴史的舞台であるシチリア島。食文化も独特に発達し、パスタ・アッラ・ノルマ、トラーパニのクスクス、カンノーリリコッタチーズを入れたお菓子)やカッサータなどの代表的なデザートを楽しめます。
バールが通路側に出ているため、通行人は足を止めやすいのでしょうか、もちろんアランチーニ(ライスボール)やカンノーリも魅力的。コーヒーを頼んで一息つく人が多かったようです。
シチリアは色鮮やかでその点でも人目を惹いていました。
10 リグーリア州
ジェノベーゼのバジルソースやオリーブオイルなど、地元の新鮮な食材を使ったリグーリア料理は、地域文化の根幹をなすものです。ひよこ豆のファリナータからレッコのフォカッチャまで、その料理の多様性は、リグーリア料理の伝統の豊かさを際立たせています。
11 サルデーニャ州
サルデーニャは、何世紀にもわたる多様な伝統と文化的影響に根ざした食とワインの歴史を持ち、豊かで多様な食の遺産を提供しています。この島は、その立地条件から独特の食習慣が守られており、それが牧歌的な伝統が支配的な役割を果たす、シンプルでありながら豊かな風味を持つ料理に現れています。パネ・カラサウ、ペコリーノチーズ、リコッタチーズなどの代表的な製品は、牧羊の重要性を物語っており、伝統的なお菓子の数々は、地元の祝祭の豊かさを反映しています。
12 アブルッツォ州
マッケローニ・アッラ・キタッラから羊の肉料理、有名なアロスティチーニ(館内で食せます)まで、アブルッツォ料理はこの地方の地理的、文化的多様性を反映しています。海や山の影響を受け、唐辛子やサフラン、職人技が光るチーズなど、地元の食材を使った料理が味わえる。
13 カラブリア州
古代ギリシア植民地ともなったカラブリア地域では、カラブリア料理は、その料理とワインの歴史と強く結びついており、何世紀にもわたって受けてきた様々な文化的影響を反映しています。トロペーアのンドゥーヤ(唐辛子ペーストを練り込んだサラミ)と赤玉ねぎをベースにした料理からユニークな料理が楽しめる。
14 ウンブリア州
イタリア民族の祖先」として知られるウンブリア州
首都ペルージャや聖フランチェスコ聖堂のあるアッシジは、世界中から観光客が訪れる場所のほんの一例です。エトルリア文明とローマ文明の影響を受けたウンブリア料理は、オリーブオイル、豆類(レンズ豆)、穀類を料理の伝統の柱としています。
15 バジリカータ州
長靴の爪先ばジリカータ州は、オリーブ(Oliva Infornata di Ferrandina)やカチョカヴァッロ・ポドリコ(Caciocavallo Podolico)など、スローフード協会(Slow Food Presidia)にも認定されている本物の味に恵まれた土地です。近隣地域の影響を受けた料理で、土地の産物、肉、乳製品を料理とワインの伝統の中心に据えている。
16 ピエモンテ州
ガルピのクルミーリというねじねじクッキー。昔は缶で売っていたけど、最近はもう紙パッケージになっているので、これはお土産に可愛いかも。
ピエモンテ州の伝統あるお皿が展示されていました。トリュフも有名なので、秋から冬にかけて、逸品料理を楽しめます。
17 ヴェネト州
イタリア北東部に位置するヴェネト州は、偉大なヴェネツィア共和国と結びついた豊かな歴史を誇り、この地域の文化、芸術、建築に多大な影響を与えています。ヴェネト料理は、山から海まで、この地方の多様性を反映しており、リゾットやポレンタをはじめ、バッカラ・アッラ・ヴィチェンティーナからティラミスまで、さまざまな料理を楽しむことができます。プロセッコやアマローネに代表されるヴェネト・ワインは、世界中で高く評価されています。
ヴェネト州は、アジアーゴやラディッキオ・ディ・トレヴィーゾなど、優れたPDOおよびPGI製品の産地です。
18 マルケ州
マルケ州の料理は、キノコ、オリーブ、トリュフが豊富な内陸部と、魚料理で有名な沿岸部との明確な違いがあり、その領土の多様性を反映している。ヴェルディッキオやロッソ・コネロといった高品質のワインでも有名である。
アッカラーニャ産トリュフ、カッシオッタ・ダルビーノ(Casciotta d’Urbino)PDO、チャウスコロ(Ciauscolo)PGIなど、マルケ州には様々な特産品があります。
19 ラツィオ州
イタリアの首都ローマは誰でも知っている。
古代ローマの貴族の料理芸術からカルボナーラやアマトリチャーナなどの大衆料理まで、幅広い食文化が広がります。
20
モリーゼ州
日本人にはあまり馴染みのない州かもしれません。モリーゼ州は2つの県に分けられ、約30万人の人口を有する。面積・人口の点で、ヴァッレ・ダオスタ州に次いでイタリアで2番目に小さな州。フジッリ、チーズ、生ハム、白トリュフの生産で際立っており、地元の特産品と料理芸術を巧みに融合させた伝統的な料理とワインの象徴です。
ジョストレと呼ばれる、「動物」「海」「土」「ボトル(ワインやオリーブオイル)」をテーマにしたマルチメディア施設。クイズやそれらに関する映像が流れ、学習の一環としても利用されます。
イタリア国内のピザチェーン店 ROSSO POMODOROの入ったピッツェリアパディリオン
コンフェッティ(お祝い事に配られるキャンディ)の店はFICO当時から。
イベントが行われるアレーナ
200人収容できる円形劇場は、プレゼンテーション、ショー、ショークッキングなどに使用されるそうです。
めちゃくちゃ大きなピアノ
インスタ映えするかな?葡萄の木のオブジェの下で食事はどうですか?
一番奥にはゴーカート!
電動のゴーカートで遊べるスペースがあります。今まだ準備中で11月ごろにオープンだそうです。
BIMBI IN VIGNA
屋外にワイン畑の子供達 と書いてあったので、行ってみましたがまだ準備中なのか、意味不明でした。
奥にはイタリア国内で栽培されている葡萄の木があります。冬に行くと枯れて枝しかありませんのでご注意を。
昼食はどこで?
どこでも食べても美味しい!
私は昼を外していったので、2時ごろやっと見終わって、いつでも食べられるのかなと思ったらレストランは2時半に一度休憩に入るというので、慌てて近くにあるカラブリア州の唐辛子のパスタにしました。
シンプルな味付けですが、絶品!!パスタ12ユーロ、水1、5ユーロ、
気をつけて欲しいのは、立ち食べ呑み以外はテーブルチャージ2ユーロ取られます。まあ、暇そうだったから色々おしゃべりしてくれたけど、チャージ料取るほどかしら、と思いました。
帰り際、エントランスのスペースでバイオリンの生演奏が。
ワインソムリエコースの講座も開催しているようで、何か非日常を楽しみたいという方には最適な場所だと思います。
またゴーカートはさておき、子供が遊ぶスペースもたくさんあるので、子連れのママたちはお弁当を持って遊びに来る手もありかなと思います。
ひとまずは入場料は取らず、各レストランやショップでお金を使ってもらえるようにするようです。木曜日~日曜日までの営業なので、私は平日に行きましたが、土日は賑わっていると思います。
またイベントを今まで以上に行い、集客率を上げていくようです。
FICOオープン当時から見ている私からすると、中は総入れ替えし、新しいスペースが増えましたが、そこまで観光客をたくさん呼び込めるかというとそのような地域ではないので、地元の人にはやはりすぐ飽きられるかと思いました。
クリスマスシーズンやバカンスシーズンは国内旅行するイタリア人も興味本位でくるかもしれませんが、また1年2年と経ってくると存在意義が元々よくわからないので以前のFICO同様に人が減ってきてサービスが悪くなっていくという悪循環になりそうな気がしました。どうかそうならないことを祈っています。
私としては、時々平日にボローニャ外の友達との待ち合わせにぴったりの落ち着いた場所なので、なくなってほしくはないのですが、イタリアを謳っているのに外国人料理人がひどい茹で加減のパスタや厚切りの生ハムを持ってきては、フィレンツェやローマの観光客にはわからないだろうという酷い商売にしか見えませんでした。食がテーマなはずなのに、本末転倒な結果にならないように、発展を祈るばかりです。
Via Paolo Canali 8
木曜日~日曜日、祝日
FICO時代
2015年ミラノ万博で「地球に食料を、生命にエネルギーを(Feeding The Planet, Energy For Life)」というテーマに、飢餓、食料安全保障、生物多様性の理念のもとに制定された。イタリアの中でも食文化に強いエミリア・ロマーニャ州、さらに美食の街ボローニャのCAAB(Centro Agro Alimentare di Bologna)=ボローニャ農作物加工センターの一部を利用し、2017年11月にオープン。10ヘクタールのうち、150社のショップやレストランが入り、屋外の2ヘクタールは耕作や繁殖(家畜)といった農業活動に当てられた。
最初の6ヶ月は約150万人の来場者と2,590万ユーロの売上を記録した。ボローニャ中央駅から専用バスを繋いだり、国際展示会開催中には展示会場から専用バスで来場者を増やすなど努力をしていた。
食育にも力を入れ、火、動物、海、未来に分かれたマルチメディアアトラクションを使った学習施設や、家畜、またグラーナ・パダーノの工房を実際に作り、チーズ作りを間近で見学できたり、バルサミコ酢、生ハムなどの製造過程も見学することができた。
イベントにも力を入れ、ギネス記録に挑戦するという大会も行い、集客を図った。2019年12月、FICO内に、農場と農業の世界をメインテーマとした子供専用の完全屋内型遊園地「ルナファーム」がオープンした。2019年、同園のバランスシートは300万ユーロ以上の大幅な赤字で閉じた。2020年も予算は300万ユーロ以上の大赤字だった。再出発を試みるため、2021年1月、イータリー・ワールドの運営会社は約500万ユーロを投資し、新たな事業計画を推進し、Prelios Sgrが運営し、25人以上の投資家が出資するFondo Pai - Parchi Agroalimentari Italiani Comparto Aからゴーサインを得た。また、レナート・ダッラ・スタジアムの改修が完了するまでの間、ボローニャ・フットボール・クラブ1909のホームマッチを開催する仮設スタジアムの建設も計画されていたが、これは現在も実現していない。
2022年、同パークのバランスシートは650万ユーロの損失と1800万ユーロの負債を記録した。
相次ぐ多額の赤字予算、いくつかの屋内エリアの閉鎖、そして提案されたフォーマットに対する市民の関心の低さから、同社は2023年12月に最終的な閉鎖を宣言し、その後2024年2月18日に延期されたが、ルナファームは営業を続けている。
2024年9月5日にリニューアルオープンとなり、イタリアの全州20州に枠を広げ、
2017年から2023年12月までボローニャで運営される美食の公園「イータリー」と大企業「フィーコ」の元パトロン、オスカー・ファリネッティが、ついに新しい「グランド・ツアー・イタリア」の開幕日を発表した:2024年9月5日。首都ボローニャ郊外にある旧施設と同じスペースで、イタリアの「美食の生物多様性」に特化した、いくつかの新しい要素を含む大規模なプロジェクトが夏以降にスタートする。特産品市場、典型的な旅館、料理コースを備えた地域パビリオンの間に、書店、遊園地、ゴーカート・サーキットも登場する。プロジェクト
失敗したFICOの冒険から新しいグランドツアー・イタリアへ
私にとってうまくいかなかったことのなかでも、フィーコはそのひとつです」と、ファリネッティは閉鎖についてコメントした際に率直に認めた。この6年間、レストラン、農場、商店、そして運動場までもが万華鏡のように混在していたが、実際にはまったくうまくいかなかった。中心部との有機的なつながりが希薄だったことに加え、海外の嗜好に近い 「華やかな 」モードが魅力的でなかったことが災いしたのだろう。しかし、イータリーの創始者は、コープ・アルレンツァ3.0とともに経営していたフィコSrlの全権を握り、再スタートを切った。彼は、19世紀の知識人たちの発見の旅を思い起こさせるような、やや大げさなネーミングで「グランド・ツアー・イタリア」と名付けた。例えば、中心部を結ぶ路面電車の活性化、ボローニャFCの仮設スタジアムの建設、すぐ隣にあるボローニャの農業食品センター(CAAB)のオープン(特定の日のみ)などが挙げられる。
20の地域のための20のパビリオン ボローニャでのグランドツアー・イタリアはどのようなものになるか
「グランド・ツアー・イタリアは単なる観光地ではありません」とファリネッティは言う。例えばヴィニタリーなど、国内の大規模な見本市を訪れたことのある人にとって、5万平方メートルのコンセプトの足場は目新しいものではないだろう。グランド・ツアー・イタリアでは、20の地域ごとに専用のスペースが設けられている。食べ物だけじゃない:ゴーカート・サーキット、本屋、農場をテーマにした遊園地
旧フィーコでもイベントやフォークロアには事欠かなかったが、9月からはエンターテイメントに重点を置くようになる。さまざまな客層や関心カテゴリーに向けたものだ。イータリー・グループの文化財団であるアース・ファウンデーションの写真展から、エッセイや児童書を含む1,200冊のタイトルを取り揃えた書店「イ・カポラヴォリ」まで、相談用と販売用(中古も含む)の両方が用意されている。
小さな子供向けには、「農夫ジャンニの農場」を模した遊園地「ルナファーム」があり、6500平方メートルの敷地に乗り物、ゲーム、ビデオゲームがいっぱいある。一方、「エミリア・モーター・バレーと調和する」と宣言している最も不思議な追加施設は、ゼロ・エミッションの電気カートを使った500メートル以上のゴーカート・サーキット、グランド・ツアー・カートだ。
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